覆面作家企画5 「色」
覆面作家企画6 「火」
参加作品/F08「凱旋の火矢は墜されたし」
意気込み
/ 後書き
覆面作家企画7 「光」
覆面作家企画8 「手」
参加作品/B04 「マリー・アントワネットの手を取って」
意気込み
/ 後書き
「人の男の妻になる前に、わたし、神様と恋を語りにゆくのよ」
出征していった兄の身代わりとして、金魚の婿をつとめる少女と、彼女の花嫁に仕える少年。
ふたつの婚礼に翻弄されるほかないふたりは、海神の姫君として祀られる金魚をめぐり、海辺の街をさまよい歩く。
――あなたが守ろうとしたものの、今際の名残を見てみたかった。なにせこの街は明日、神様ととことわに袂を別つ。
うら若いわけありの公爵夫人は、きれいに整えた浴室で、人魚姫を飼っておりました。
彼女の嫁入り道具はただふたつ、うつくしい色彩の少年人魚と、それから猫足のバスタブだけ。
抱え込まれた恋をめぐり、公爵令嬢と公爵夫妻と、そして人魚とあるいは魔法使いが物語る――これは御伽噺めいた呪われ喜劇。