※この回の意気込みは、フェイクも兼ねてお遊び形式で参加しました。
偉大なる安穏、眠れる安寧、安らかにしてあたたかな、無上のさいわいをもたらしてくださる神。それこそがオフトゥング神である。
慈悲深きかの至高神の栄光は、最近では覆面作家企画6の意気込みテンプレート、という媒体にまで進出してきているという。まったく、喜ばしいことである。
さて、これから我らがオフトゥングの名のもとに説くことは、完全なる甘露サンドネェへ至る栄光を、この惰眠サイト「リルの記憶」にあますことなく、また我らの仇敵たるフミーンに屈することなく記すようにと、太母アン・ミンより賜った託宣によるものだ。はらからよ照覧あれ、母なる眠りの御言葉を。ああ、スヤ・スヤ・オフトゥング!
眠りを賛美するこの文を記すのは、オフトゥング信仰者たる篠崎琴子である。
当オフトゥング信仰の拠点へは下記の呪文を検索窓を媒体に唱えることで訪える。
http://lir.verse.jp/
ただし注意されたし。プロフィールはまだない。
なにせ、ファンタジーを好み、和風を書いて暮らしてきた身だ。
時にヴィクトリア朝に身を沈めようとも、私が愛でるのはファンタジー少年少女。
ゆえにプロフィールなどという現代の風習にはいまだ慣れない。
オフトゥング信仰者の三度の眠りへの道は、目覚めの前より始まっている。まだ朋友みながすやすやと寝静まっている頃、平凡な新聞配達員に身をやつした敵が現れる。
そう、奴らは我々の敵の一派、早朝覚醒推進委員会の活動員なのである。新聞を投げ込み、その音で我らの覚醒を促す。繊細な信者は、これで目覚めてしまう。恐ろしい。
ここで目覚めなければ、信仰者は第一の寝落ちに赴ける。
しかし、第二の試練は自らの中で徐々に首をもたげてくる。
寝る前に読んだ本の続きが、早朝のまどろみの中気になってしまう、というやつだ。
私の場合、特に心惹かれるのはダイアナ・ウィン・ジョーンズの著作である。これが気になりだすと、朝はもう読みたくて読みたくてたまらずに起床してしまう。
特に「ダークホルムの闇の君」「グリフィンの年」など垂涎だ。
あるいは、荻原規子の「勾玉三部作」。高殿円の「剣と紅」。
これら少年少女が異装に身を包んで殺伐する作品たちには、もう目がない。
これらは忠実なオフトゥング信仰者である同士諸君にもぜひおすすめしたい。
話が少々ずれた。
ともあれこれでもまどろめれば、第二の寝落ちにはすぐに至れるだろう。
さて、私が何より愛する――趣味の手製本づくりよりもなお愛するお布団で安眠する意志を、三度の寝落ちへと至る道を、私はこのページに刻まなければならない。
ここまで、我らに起床促してくる二つの敵ついて記してきた。
しかしサンドネェへと至るには、まだもうひとつ制覇せねばならないものがある。
この時期特有の大敵……覆面作家企画、である。
私は前回の覆面作家企画5よりの参加である。
つまりこの歓喜にみちつつも口を閉ざさねばならぬ苦役を経験するのは二度目だ。
まず敵について知らせるために、少しこの覆面作家企画について語ろう。
前回提出させていただいた自作が様々な作者の作品と推理されたのは思い出深い。
たしかsagittaさん、和泉有穂さんのお名前が多く上がっていただろうか。
対して私の作品と推理されたのは、文月夕さんの「さよなら、おじさま」星野莢さんの「薔薇の娘」たつみ暁さんの「白雪異聞」永坂暖日さんの「Eve or Vandor」であったことは、よく覚えている。
前回ご一緒した戦友とは、今回は別のブロックに散ったようだ。
この覆面作家企画の、何が恐ろしいか。
それは日夜ツイッターと掲示板を飛び交う、推理と感想と反応の嵐である。
この魅惑的な嵐はたやすく我らの睡眠を妨害するのだ!
もちろん、下準備の段階であっても。
私は今回参加するために、二か月前から準備していた。
しかし結局五日ほどを費やした直前の修羅場を経るまで脱稿できなかったのだ!
その間、削られた睡眠はいかほどだろうか……考えるのも恐ろしい。
しかし絶対に見つからない自信はある。今ではそれもむしろむしろ確信に近い。
脱稿した時、私は正直、他にももう一作書こうかと迷った。
しかし結果として、わたしは提出作以外は書いていない。
なんとか踏みとどまって、私は執筆よりもオフトゥング信仰に従事したのである。
私は安らかに眠りに落ちた。それほど、今回の覆面に自信があった。
栄光はもたらされたり。今でもそう感じている。
私の覆面の強固さは、信仰への従事たる安らかな睡眠のおかげだと信じている。
オフトゥング神のおかげで、私は素晴らしい覆面を手に入れた。
オフトゥング神のおかげで、私は最新の原稿「糸雨の残躯」を書き上げた。
オフトゥング神のステマにより、この話は覆面を剥く大きなヒントになるだろう。
ああ、やすらかなるかな、スヤ、スヤ、オフトゥング!
ここまでこの記述を読み解いた賢明なるあなたには、もうおわかりだろう。
サンドネェへと至るには――睡眠不足という一時のお布団との別れが大切だと。