リルの記憶 - 覆面作家企画特設ページ

覆面作家企画5 後書き

※この回は旧名義で参加しました。

■作者名
 篠崎伊織です。

■サイト名&アドレス
 「リルの記憶」
 
■参加ブロック、作品番号、作品タイトル、作品アドレス
 参加ブロックはHです。
 番号は4番でした。
 「さいわいのきみ」
 
 で参加させていただきました。
 意外と、どころかそこそこ高い確率で当てられなかったのが信じられない。

■ジャンル
 (きっと)ほのぼの(の皮をかぶった)ファンタジー系(である気がする)少女小説(を目指したはずでしたが児童文学かなにかになりきれなかった何か)です。たぶん。
 少女小説を目指した結果、児童文学と呼ぶのも申し訳なくなるくらい、ただひたすらにほのぼの系雰囲気小説ができあがりました。

■あらすじ
 花兎の愛した小さな雪猫は、もうこの時計塔の街にはいない。
 御堂の御使い様の手を取って、花兎の手の届かない、遠い場所へ行ってしまった。
 一人のこされた彼女は、キャンバスに向かいながら幼馴染の彼と過ごした幼い日々をふりかえる。
 そうして、幾重にも重なってゆく色彩が、やがてもたらしたものは……。


■意気込みテンプレを使用された方は、URLを教えてください。
 こちらになります。
 

■推理をかわすための作戦は?
 正直、みなさま緻密な作戦のもとに計算に計算を重ね、自分の癖を把握したうえでごまかし、隠し、あるいはわざと別の方の癖をフェイクとして構成に取り入れ、幾重にも覆面で素顔を覆い隠しての参加だと、参加前は思っていたんです。
 なので、いくつかフェイクらしきフェイクは入れても、まだまだたりない、すぐにばれるだろうな……と、思っていました。だって、風花綴りのこどもたちの一話とか、思い切りこんな感じですし。
 そうしたら、最初に思っていたほど巧妙で分厚い覆面ばかりではなく、ちょっと安心した、という感じでした。
 なので、覆面被ってない!といいながら、実はフェイクは入っていたり。だって、このくらいなら全員やっていると思っていて、覆面の内にも入らないと思っていたんですもの!

 というわけで、入れたフェイクの一覧。

①まず名前。花兎と雪猫、と、今まで使った事のないタイプの名前を使ってみました。そして、地名も今まで使った事のないフランス語系の単語を。アルエット「雲雀」と、シュエット「ふくろう」ですね。

②二番目、今までに書いた事のない方向性。絵本みたいな、なにも深く考えないで雰囲気を楽しむタイプの作品は今まで書いた事ないな、と思ってこの方向にしました。
 あと、純粋にきらきらふわふわしてる成長話は書いた事なかった。
 短編群は死亡失恋差別?ネタと一通り薄暗い物がそろっていますし、長めの話の方は、これを書いた当時は、言ってしまえば「拉致犯と被害者の十年後」みたいな話で、残る一作は依存話ですし。
 そして、同時にこの年齢層をメインで書いてる作品もないなあと思って。
 一応、回想のふたりは十歳以下です。
 四~八歳:おひさまのとびこんだミルクとか、御堂での「うつくしい、うつくしい」時代。その後十歳こえたくらいで御堂の御使い様からのお迎え。このあたりは、いろいろ歌い手について調べて決めました。
 そうです、おわかりかもしれませんが、雪猫はボーイソプラノ設定なのです。
 が、参加を決めたのは締切一週間前と、Wikiさんをはじめネットしか情報源を確保できなかったので、間違ってはいるかもしれません。そうであってもファンタジーだからってことで見逃してください。そしてこっそりとその旨教えてください。

③次にひらがなの多用。
 これ、いつかやってみたかったんです!Cブロックのひのかさちゃんに影響されてひらがな愛おしくなって以来、その愛を思う存分にぶつけられる時を待ち望んでいたんです……。
 そして、みごとに子供主役・ひらがなまみれでも「フェイクですから」ですませられて怒られない・作風的に違和感ない、の機会が三つそろって巡ってきたので、やらかしました。
 断言しましょう。フェイクのためっていうより、これはひらがなへの愛のためです。というわけできっとこれは正しくはフェイクじゃありません。

④そして最後、叙述トリック?なんていうんでしょう、とりあえず「雪猫死亡疑惑」で読者をだまそうと挑戦した事。
 こういうの意識的には初めてやったんです。
 なので、これもある意味フェイク、かも。

 こんなところ、かなあ。
 逆に入れようか迷って入れなかった、入れられなかったフェイクは、

①R指定→「色」=「いろつや」のテーマ設定で、別のネタは考えたんですけどまとまらなかったので没

②古代北欧舞台で、ヴァイキングのおじさま活躍のハードボイルド→歴史物・おじさまもの・ハードボイルド、と三拍子そろって「これは絶対ばれるわけがない……!」と思っていたのですが、書けるわけがないので没。もしもこれを書いていたら、H03の「さよなら、おじさま」と並んで、覆面5Hブロックの二大おじさま作家と呼ばれる事になったでしょうに……!くやしい!

③悪女主人公→やっぱり、いままで書いた事が無かったので。①のR指定フェイクとあわせて使おうかと思っていました。幼馴染を殺された性格悪い村娘が、性悪な魔術師と契約して、幼馴染を殺した相手に手段を厭わずえげつない復讐する話。もちろん無関係な人々もためらいもなく拷問したりあの世に送ったりしたことでしょう。もしもこれを書いていたら、この性格悪い村娘主人公はH07の「薔薇の娘」のミアちゃんと並んで、覆面5Hブロックの二大悪女として君臨でき……たかは神のみぞ知るところです。でも君臨させてみたかった。悪女二人とか見てみたかった。くやしい。

 とか、そんな感じのいろいろがありました。
 正直、ここまで考察や感想を戴けるものと思っていなかったので、もっと読み込みがいのある作品をかけたらよかったのにと、企画開始後に後悔しました。くやしい。
 つまりくやしいです。くやしい。



■作品のネタを思いついたきっかけは?
 なにか入れられるフェイクは無いかなあ、と考え、上記のフェイクを思いつき、そこから膨らませて言った感じです。
 フェイクー、フェイクなにがいいかなあ→こども、ひらがな、雰囲気小説、とかでいいかなあ→とりあえず書き始めてみる
 ただこれだけでした。
 だって仕方ないじゃない。参加を決めてアイディアを考え出したの、締切一週間前……。

■ストーリーの構築において気を使った点、苦労した点などあれば教えて下さい。
 やっぱり、「今までの自分じゃない展開、今までの自分じゃない文章……」とか思いながら書いた事でしょうか。
 とにかく、鬱展開仄暗い薄暗い展開をはぶくこと。
 自分らしい文章を避けつつ、でも妥協はせずに書きたい、気に入った表現の文章を書くこと。
 苦労した事は、時間が足りなかった。これにつきます。もっと早くに参加を決めていればおじさまハードボイルドでも悪女復讐譚でも書けたのですが……いや、書けなかったか。内容と文字数的に。
 正直、この直後に別口の原稿が迫っていたので、精神的なおいつまり感も半端なかったです。
 (ちなみにこの迫っていた別口の原稿は、「きみの涙の、花咲けるまでに」として無事脱稿できました。よかった)

■削ったエピソードなどありましたか? 作成裏話歓迎です。
うーん……一応、
「雪猫と花兎の文通話」
「十年後に至るまでの間に結婚した雪猫の姉さんとその子供と花兎のエピソード」
「雪猫の姉さんに恋する花兎の兄さん」(何番目の誰が誰にとかは決めてない)
 あたりでしょうか。
 裏話……裏話は、ほとんど既に書いちゃいました!というか、突貫工事すぎて正直ありません!
 と、いいたところですが、しいてあげるとすれば一つだけ。
 花兎と雪猫、というネーミングについてです。
 色々な方に書いていただいた感想でも、大きく分けて
「このネーミングはいい。雰囲気出てる」派
「なんかいまいちぴんとこない。なんで漢字?」派
「リアル兎と猫で最後まで想像しましたもふもふ」派
 に分かれていた気がします。
 まず、もふもふ派の方に残念かもしれないお知らせを。
 花兎も雪猫も、ついでに言えば兄さん姉さんたちも、みんな人間です。
 一応ファンタジーなので、耳と尻尾くらいはついているかもしれませんが……というか、指摘されてはじめて、私もそのめくるめく可能性に気づいてしまってそれもいい!となりましたが……でも人間です。
 花兎は髪を編みこんでもらってよろこぶ女の子ですし、雪猫はそんな花兎の髪を指でほどいて遊ぶのが大好きな男の子です。そして折角結ってもらった髪を台無しにされて、ちょっと怒って涙目でふくれる花兎と、おろおろしだすも後日また同じことを繰り返す雪猫です。つまり人間です。
 そんな人間であるふたりの名前、「花兎」と「雪猫」は、いわゆる幼名だったりします。本名じゃない。
 本名はフランス語調で、フルールとネージュです。大人になったら、この名前。
 花兎はフルールで、雪猫がネージュ。元々こちらの名前があって、そして幼名に花兎、雪猫、と言う名前がついた……という設定でした。最近まで私もそんな事忘れてましたが。今メモを見て思い出しましたが、問題ないでしょう。ないですよね?ね? 
 


■その作品の続編または長編化のご予定は?
 無いです……きっと。たぶん、無いです。同じ世界観で、とかはあるかもしれないですが、きっと時代が違うと思います。
 でも、これと言って特徴のない世界観ですし、どの世界の片隅にも、花兎や雪猫のような二人はひっそりといるんだろうな、と思っていただければ。

■その作品で気に入っている箇所はどこですか?
 雰囲気に心血を注いだ結果、自分でも全体の雰囲気が好きです。
 あと言い回しとか。全体的にお気に入りの作品。

■推理期間中、褒められた点は?
 「花兎」「雪猫」の名前が雰囲気にあっている、と書いていただけたときは嬉しかったです。
 が、この名前については賛否両論でもありました。
 多くいただいたのは、「かわいい」というお言葉。かわいい話、かわいい話、と念じながら書いたので、やった!と。
 あとは漢字の開き具合が話に合っている、とか。あとは個人的に、「雪猫が死んでいると思っていた」も、褒め言葉として受け取っております。ここは狙っていたので。
 
■推理されてみて、いかがでしたか?
 知り合いのものは勘と感覚となんとなくで推測してみました、が、それ以外は取り組めませんでした……。

■正解以外に、あなたの名前があがった作品はありましたか?
 ええと、多かったのがH03「さよなら、おじさま」、H07「薔薇の娘」、H08「白雪異聞」でした。意外だったのが、H02「Eve or Vandor」かと推理されたことですかね……。
 転生物はとてもとてもとても大好きなのですが、この雰囲気はとても出せないな、と自分で思っていたので。

■あなたの作品の作者だと推理された方はいましたか?
 sagittaさん、和泉有穂さんあたりが比較的多かったかな、と。
 あとはばらけてた感じです。

■推理してみて、いかがでしたか?
 あまりしなかったのですが、なかなかわからなくてもだもだしました。

■あなたの推理はどのくらいの正解率でしたか?
 推理はしてないですよ!推測しかしてないですよ!←



■この企画に参加して、改めて気づいたことはありますか?
 創作、楽しい。につきます。

■参加作品の中で印象深い作品をあげてください。
 同じブロックですが、H07「薔薇の娘」の衝撃は忘れられないです。
 A12「花びら一つ、あなたに」と、C04「首長竜、旅に出る」が好きです。

■参加作品の中で印象深いタイトルの作品をあげてください。
 「覆面朗読会を始めましょう」「さよなら、おじさま」「天つ虫といとしき亡き月の王」でしょうか。
 長いタイトルは大好きです。かくいう私も長いタイトルばかりつけています。
 言葉の連なるひびきが愛しくて。


■参加作品の中で面白かった3作品&一言感想、お願いします。

 このブログの他の記事(※当時は特設ブログを設置していました)にちょこっとあるのでそちらを参考にしていただければ……。
 (訳:このあとがきを書いている時点で、正解発表時間が間近です)
 なお、覆面全作品感想は諦めて久しいです。半数は読めはしたのですが。すみません。
 正直、読む→引き込まれる→再読する→満足する→ふと隣の作品のタイトルが目に入る→うっかり感想を忘れて読みだす→引き込まれる以下無限ループで、つまり読みふけるうちに時間が尽きてしまいました。


 最後に。主催様、参加者の皆様、素敵な企画をありがとうございました!