椿

―許嫁が嫁いでから、
 はやくも三月がたとうとしていた』

リルの記憶

Info

2015.09.27 追記
装丁をあらため文庫版にて再版いたします。
つきましては部数アンケートにご協力ください。


完売しました。同装丁での再販の予定は今のところありません。

2月1日開催のCOMITIA111にて発行。

Story

 母の実家が一度取り壊されることが決まったのは、半年前のことだった。

 古い座敷のひとつの整理をまかされたわたしたちは、過去、世を去った人の持ち物を、あらためて処分することとなる。

 かつて、あかい花の影を追った男と、
 かつて、あかい花が咲き朽ちた庭と、
 かつて、あかい花を手折った少年と、
 彼へとこの手を、伸ばしたわたしの。


 いとけない昔話がいま、まなうらによみがえっては、着物の裾をからげさせた。

   試し読み

About

[題名]
炎天椿

[仕様 文庫版]
70ページ/文庫
デザイン表紙/特殊印刷カバー付き

[価格]
未定(初版と同程度を予定)
(委託通販では多少変動いたします)

[書影]
  



[仕様 初版]※完売
44ページ/B6変形横長
特殊紙カバーならびにカラー帯付き

[価格]
500円(イベント頒布価格)
(委託通販では多少変動いたします)

[書影]



[目次]
一 なきひと語り
二 過日の子供
三 花のほころぶ
四 はかなしの庭
五 花のおちあと
六 佳日の鼓動
七 なきもの送り

[注意]
 うつくしい少年少女を書く企画『君はエフェメラ』掲載作の改稿版になります。
 該当作品は企画終了後はWeb上には公開しておりません。


 文庫版のカバーについては、特殊な印刷方式で印刷をお願いしております。
 特徴として、かすれのある印刷で、経年により多少インクが薄くなりやすいとのことです。
 また、金インクも使用しておりますので、こすると多少手につく部分が出るかと思います。
 透明なカバーをつけての頒布を予定していますが、気にかかる方はその点も考慮の上で購入をご検討願います。
 以上の特徴を把握したうえで、装丁の一端として利用しております。
 ご了承いただければ幸いです。